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医療関係者・採用情報 医療関係者
[美容および外観上の問題]
ボディイメージの変化、周りの目が気になる、好みの服装ができなくなる
[自律性の低下]
継続して仕事ができない、外出したくない、家事ができない、荷物が持てない、運動や手先を使う趣味ができない・・・などADLの低下
[経済的問題]
マッサージの費用(保険適応外)、圧迫衣類の費用(リンパ節廓清を伴う悪性腫瘍術後の場合療養費補助あり)
[性的問題]
男女ともに羞恥心を感じる、自尊心が傷つく、本人だけでなくパートーナーも困難感を感じる
[その他]
がんの再発への恐れ・恐怖
リンパ浮腫のリスクを説明をうけ、発症のリスクがあることはわかっていても、またリンパ浮腫をすでに発症していても、色々な要因からその予防、治療が妨げられています。
[患者要因]
命が助かったのだから仕方ない・・・という諦め・がんの治療で精一杯で他の事を考えられない
[環境要因]
リンパ浮腫に対する指導・治療にかけられる時間が不十分
[医療要因]
医師からのリンパ浮腫に対する情報提供が不十分
看護師からの積極的関与が不十分
[スキンケア]
浮腫のある四肢の皮膚は非常に脆弱になっています。保湿保護に努め、ケガに注意が必要です。虫さされを心配される方がいらっしゃいますが、虫さされではな く、さされた部分を書き壊してしまったりすることに注意することが必要です。蜂窩織炎を発症すると、浮腫を悪化させますので、この予防および発症した場合 は早期治療が重要です。
[リンパドレナージ]
一般的なマッサージや痩身等のリンパドレナージュとよばれているものとは、全く異なる手技方法です。 腋窩骨盤リンパ節廓清後のリンパ浮腫のドレナージは、切除により還流不全となっている部分を迂回し健常なリンパ節やリンパ管へ誘導するものです。具体的に は骨盤内リンパ節廓清後の下肢リンパ浮腫の場合は下肢のリンパ液を鼠蹊から腹部胸部背部を通して腋窩リンパ節へドレナージします。健常者のように下肢のリ ンパ液をそのまま鼠蹊、骨盤へ流すと障害された部位をリンパ液が流れることができず、鼠蹊部会陰部の浮腫を招く危険性があります。 なお、リンパ浮腫発症していない状態での予防的リンパドレナージはその効果について質の高い根拠は示されておらず、施行に対しては慎重な判断が必要とされ ます。また禁忌となる併発症(不安定な静脈血栓症、相対的禁忌として心不全等内臓疾患による浮腫)もありますので注意が必要です。
[圧迫療法]
低伸縮の弾性包帯を用いた多層包帯法と弾性着衣を用いる方法があります。
ここで注意が必要なのは、マッサージの所に記載したように状態によって禁忌となる場合があります。一般禁忌としては、心不全、動脈閉塞疾患があります。また皮膚が弱い、リンパ瘻となってるなど施行に注意が必要な場合もあります。
弾性包帯法は指導を受けることにより、患者本人が自宅にて継続することも可能です。
弾性着衣は末梢でから中枢に向かい圧が減弱するように作られています。インターネットを通じてオンラインでも購入はできますが、圧のクラス、四肢長、股 上、素材などチェックできませんので、推奨はされません。また高額なものであり、療養費の補助のための診断書作成も病院で行う必要がありますので、購入に 際しては、セラピストや医師の正確な測定のもと試着してから購入することが望ましいと考えます。
[運動療法]
運動療法の目的は、圧迫した状態で動くことによりリンパ液を排泄を促進させることです。1つ重要な点は運動を行うことにより血液循環が促進されますので、 リンパ液の産生も促されることです。よって、適切な圧迫を併用することと、過度な運動は浮腫の悪化を招く可能性があることに注意が必要です。運動療法に関 してもセラピストや医師の適切な指示のもとに行うことが推奨されます。
リンパ節を切除した方がすべて浮腫を発症するわけでは無いです。リンパ管にはたくさんの側副路がありますので、本幹に循環不全がおきてもそちらを回って還 流されるためです。したがって側副路の状態によって発症の頻度、時期が決まってきます。ただいつ発症するのかの予測は不可能ですので、日々のケア、観察に より発症予防、早期発見早期治療を行うことが重要です。
スキンケアが重要です。リンパ浮腫診療ガイドラインでもグレードB2と推奨されています。皮膚を清潔に保ち保湿をすることで皮膚のバリア機能を維持するこ とができます。リンパ浮腫のある場合はもちろん、発症前でもリンパ液が皮下に貯留している場合細菌感染への抵抗性が低下するとされています。細菌感染によ る蜂窩織炎はリンパ浮腫の発症原因ともなりますし、増悪原因ともなります。
リンパ浮腫の治療として、リンパドレナージや圧迫治療は有用ですが、発症前の予防としての効果についてははっきりとした根拠は示されていません。逆に、不 適切な圧迫は末梢の浮腫を生じ、不適切なマッサージは皮膚障害や鼠蹊会陰部の浮腫を発症させるリスクがあります.
残念ながら根治することはありません。治療の基本は悪化の予防となります。現状維持ができれば良しと考えケアを継続します。また、そのケアを継続することにより皮膚の硬化の改善が得られ、さらに浮腫の改善が得られることになります。
マッサージには二通りあり、セラピストが行う用手的リンパドレナージと患者家族が自宅で行えるシンプルリンパドレナージ(セルフリンパドレナージ)があり ます。いずれも適切にリンパ液が流れる方向に向かい、うっ滞している組織間液やリンパ液の排出を促すことが目的です。また水分の移動のみならず、停滞して いるタンパク質の再吸収を促進するという効果も認められます。繊維化した皮膚を柔らかくする効果もあります。
そのタッチは柔らかく、えてして弱すぎると感じる方もいます。
禁忌となる状態もありますので、医師の指示のもとセラピストによる施術、若しくはセラピストによる指導が必須となります。
二次性、術後リンパ浮腫によって全身がむくむことはありません。これはリンパ節切除後にその末梢のリンパ還流障害を原因として浮腫が発症するためです。 従って乳腺手術リンパ節切除後の浮腫は手術側に、骨盤内リンパ節切除後の浮腫は下肢に生じます。全身性の浮腫の場合は心臓、腎臓、肝臓といった内臓疾患を 原因としている可能性があります。
スポーツや、旅行を楽しんでいただけます。ただし注意が必要です。リンパ浮腫が発症していない場合は、スキンケアと日々の観察を継続すれば良いです。浮腫 発症後では、一定の見解は得られていないのですが、上肢の浮腫の場合、腕を振り回すような運動は、浮腫の悪化の原因となり得るとはされています。スポーツ 前後で腕の状態の観察をお勧めします。旅行時は腕では重い荷物を運ぶ時、方にバックを背負う時は上肢に負担をかけないようにしてください。また下肢の浮腫 の方は長時間同じ姿勢で居る時や、長く歩行をする時などきちんと圧迫をするようにしてください。
弾性着衣や弾性包帯は条件つきですが、療養費といった補助の対象となります。対象となる疾患および弾性着衣は以下の様になります。
疾患 リンパ節廓清を伴う悪性腫瘍の術後に発生する四肢のリンパ浮腫
・悪性黒色腫
・乳腺をはじめとする腋窩部のリンパ節廓清を伴う悪性腫瘍
・子宮悪性腫瘍 子宮附属器悪性腫瘍
・前立腺悪性腫瘍及び膀胱をはじめとする泌尿器の骨盤内のリンパ節廓清を伴う
悪性腫瘍
製品 着圧が30mmHg以上の弾性着衣。ただし医師の指示により特別の指示がある場合は20mmHg以上から可となる。
弾性包帯 医師の判断により弾性着衣を使用できないとの指示がある場合に限り支給対象となる。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)が考えられます。 浮腫のある四肢は感染に弱くなっています。ちょっとした傷から感染を起こし皮下の炎症を引き起こすことがあります。浮腫発症の原因となることもあり、また 浮腫の増悪の原因ともなります。早期治療が必要です。乳腺外科や婦人科担当医師、若しくは皮膚科を受診してください。また、炎症を起こしているときは、 マッサージや弾性着衣は刺激になり炎症のなおりを悪くします。担当医から許可がでるまでは、マッサージおよび弾性着衣はお休みしてください。
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休 診 日 | 第1・3・5土曜日、日曜日、祝日 年末年始(12月29日-1月3日) |
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