健康コラム

圧迫骨折と偽関節| 立川病院
圧迫骨折と偽関節 ― 

整形外科医長 小倉 洋二

脊椎の圧迫骨折と偽関節について

 脊椎圧迫骨折とは、脊椎(背骨)が押しつぶされるようにして変形してしまう骨折です。しりもちのような転倒で起こりますが、重度の骨粗鬆症では外傷なく起こり「いつの間にか骨折」とも言われます。2-3か月で骨癒合し痛みが和らぐのが普通ですが、コルセット等の治療をしっかり行っても骨癒合しない場合があります。この状態を偽関節といい、腰痛が長引くのみでなく下肢痛やしびれ、麻痺、排尿障害などを生じることもあります。

偽関節の診断

 偽関節の診断にはX線検査やCT、MRI検査を行います。

側面X線像では坐位と仰臥位における骨折椎体の形態変化、CTでは骨折部の偽腔の形成や椎体壁の破壊の程度、MRIでは骨折に加え脊髄・馬尾神経への圧迫の有無などが確認されます。

偽関節の治療

 偽関節の治療はコルセットや骨折の原因である骨粗鬆症に対する薬物療法を十分に行いますが、保存療法で痛みが改善しない場合、麻痺や排尿障害を伴う場合は手術療法が望まれます。

 手術は骨セメントを骨折部に注入・充填する経皮的椎体形成術(BKP)という方法とスクリューを骨折部位の上下に挿入して安定化させる脊椎後方固定術という方法があります。いずれも全身麻酔で行い、BKPは1時間以内、固定術は2時間以内の手術時間です。入院期間はBKPでは数日、固定術では1-2週間程度です。

 各方法を図に示します。図1のように、BKPでは骨セメントをレントゲン透視下に注入します。椎体前壁が粉砕し漏れ出すタイプでは適応できず、その際は図2の固定術を行います。また下肢の痛みやしびれ、麻痺、排尿障害などの神経症状を伴う場合には偽関節部の椎弓を切除し神経への圧迫をとる後方除圧術を追加します。

 手術後は約1-3カ月間、コルセットを装着し、骨粗鬆症の治療も並行して行っていきます。

当科での取り組み

 脊椎圧迫骨折は加齢に伴うありふれたものですが、苦痛や活動への影響は大きく、発症早期より適切な診断・治療が望まれます。当科は圧迫骨折の患者様によりそい保存療法および手術治療に積極的に取り組み早期の改善を目指します。圧迫骨折後のながびく腰痛をあきらめずに、ぜひ一度ご相談ください。

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